そもそも、私がなぜ子供の学習にスクラムを取り入れようと思ったかという話をします。もともと子供の中学受験などはあまり考えておらず、子供の勉強も何とかなるだろうという考えでした。自分自身中学受験をしなかったですし、塾についても浪人生の時に1年間予備校に通ったくらいでした。当然、特に小学生の時は悲惨な成績だったので、子供についてもまぁ何とかなるさという感じでした。
しかし、ある時何かのきっかけで中学受験の過去問を見た時にその難しさに衝撃を受けました。それまでは、せいぜい小学校で勉強することがきちんと分かっていればなんとなくできるんじゃないかと思っていたのですが(←まったく無知ですね)、それでは全く太刀打ちできないということを一目見て思いました。中学受験については子供が自分で決めればよいという考えだったのですが、例えば小学6年生になった時に、子供が中学受験をしたいと言い出してもそれまで何もしていなければ合格することはとても難しくなるということが容易に想像できました。
それでは、さっそく学習塾に通わせるかという考えもあるとは思いますが、自分の経験的に勉強は毎日の積み重ねが一番効果的という考えだったので、まずは家庭での学習を完全に見直すことにしました。また、単に塾に通わせるだけではあまり効果は出ないだろうという考えでもありました。効果的に家庭学習を進めるにはと考えた時、思い浮かんだのはスクラムでした。スクラムを取り入れた時の話はこのブログの最初の記事に書いています。
ところで、スクラムの本来の目的は、「移り変わりの激しい世の中でいかに価値のあるものを作るか」ということにあるので、それほど頻繁に大きな変更がない小学生の勉強にはあまり関係のないようにも見えると思います(入試問題などは毎年違うものになっていると思いますが、子供が習得するべきことについては毎年それほど大きな違いはないと思います)。
私は、スクラムの本来の目的とは別に、スクラムの中でメンバーが得られる効果が中学受験のために学習にとても適していると思ったのでスクラムを取り入れました(さらに言えばスクラム以外の方法を思いつきませんでした)。それが今回のテーマである「自己組織化」、「自律」です。
「移り変わりの激しい世の中でいかに価値のあるものを作るか」 を実現するには、外部からの指示に従うのではなく、チームが自分で目的を達成するための最善の行動を考え、実行することが必要不可欠になります。中学受験も、人から一方的に与えられた課題をこなすだけでは、精神的にも、学習の効果としてもおそらく対応が難しいと思われました。
最初は大人がある程度ガイドをしなければならないでしょうが、どこかのタイミングで自分で考え、行動するということができるようになれば子供の能力は爆発し、精神的にも効果的にもよい学習をできるようになると思います。子供が太陽のように自分で燃え続けるようにならなければ、親は薪をくべ続けなくてはならず、親のほうが先に疲弊してしまうかもしれないようにも思われました。
スクラムは、チームやメンバーの能力の爆発を促す仕組みになっています。チームの各メンバーがそれぞれの役割を正しく理解し、スクラムの原則に従い、スクラムのやり方を続けることで、自然にチームが少しずつカイゼンされ、大きな価値を生み出すことができるようになります。
カイゼンは本当に些細なことでよく、家では例えば「勉強の際には机に上には何もない状態にする」、「計算問題では消しゴムは使わない」、「タイムボックスの間は親は声を出さない(親同士の会話も禁止)」があります。子供と一緒にどうすれば少しでもやりやすくなるかを考え、すぐに実行し、検証するというのがスクラムマスターである親の役割となります。
子供の学習とはあまり関係がないですが、カイゼンについてはこちらの本がとても分かりやすかったので紹介します。
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