子供の学習、生活改善における情報の透明性(と心理的安全性)

長期的な取り組みを毎日継続しようとする中で、つまずいてしまう原因の一つとして、その取り組みを何のためにやってるか、今何をしなければならないか、次は何をしなければならないか、をついつい見失ってしまうということがあると思います。特に一人の取り組みではなく、チームで取り組む場合、自分と他のメンバーとの間で考えていることが違ってくると、チームとしても上手く活動ができなくなるという問題が発生することになってしまうように思われます。

スクラムでは、このようなことが起こらないように、チーム全員がいつでもすべての情報を得られるようにすることを徹底します。この考え方はスクラムの3本柱の1つである「透明性」に当たります。家庭学習とは別ですが、情報共有が上手くできていないことでチームが上手く機能しないということを、最近体験することがありました。このようなことはよく起こることと思われますが、ちょっとしたひと手間で防ぐことができ、防ぐことで大きな効果が期待できると思われます。今日はそれについて書いていきます。

目標を立てることの重要性については、異論を唱える人はあまりいないと思います。長期間であれ、短期間であれ、何かに取り組む際には、達成することを何かしらイメージするのが自然なことでしょう。特に、そのイメージがはっきりしているほど、また、それを達成したいという気持ちが強いほど、取り組みに対して前向きになれると思われます。スクラムでは、このイメージを言葉にして紙などに書き、チーム全員で合意し、チームメンバーが毎日目にする場所に貼り出します。これだけで、目標を見失うということはかなり避けられると思われます。また、この目標は都度都度修正したり、明確化したりすることになると思われます。

目標をチームで共有したら、当面の目標を具体的に計測できるような形で立てるのが良いと思われます。ここでの「当面の目標」というのは、こちらの記事で書いている「計画」に当たります(こちらでは、例として1週間の計画としています)。例えば、1週間で何を達成するかをチームで合意し、そのために日々何に取り組むかを、通常のスクラムでは実際に作業をする人が自分たちで考え、実施します。家庭学習では、子供が自分で考えられれば良いですが、年齢等によっては親がリードしなければならないことがあると思われます。ただし、親が一方的に決め、子供にやらせるという形にはしないようにしてください(ご参考)。

ここで、情報の透明性を実現するのに重要な役割を果たすのが、カンバンなどのツールになります。今日は何をしなければならないか、何が残っているかという情報を明確にして、チーム(親子)で共有することでお互いの認識に間違いが起きることを防ぐことができるようになります。また、話が前後しますが、「当面の目標」についても何かしらの形で書いておくのが好ましいです。例えば、小学1年生の漢字は80字なので、Y軸を80を上限にしたグラフ用紙を用意して、毎週覚えた文字数の累積を線グラフを書いて目標と実績を見えるようにするなどのやり方があると思います(バーンアップ(ダウン)チャートと言います)。

また、最近は私はほかに以下のようなシートを使って、当面の目標の共有と毎日の振り返りをしています。

目標、振り返り

情報の透明性は親側からだけのものではなく、もちろん子供からの情報についても同様にしていく必要があります。

最後にですが、情報の透明性は心理的安全性のためにも不可欠のものと考えています。子供が、最低限何をすれば完了するのかがわからない状態では、心理的に不安を感じ、集中できないという状態になってしまうように思われます。チーム(親子)で合意をして、見えるようにし、それをお互いに守ることで安心感、信頼関係は醸成されると思います。

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