これまでの主な取り組みの記事で具体的にどんなことをやってきたかを紹介しましたが、今回はスクラムによる家庭学習のはじめ方を順を追って説明します。今の私の取り組みは、中学受験を本格的に目標にしている段階のものではなく、あくまでその準備段階のような位置づけです。本格的な対策をとる段階になると登場人物や役割に少し違いが出てくると思われます。そのあたりについては、なんとなくのイメージで補足をしながら説明しようと思いますので、ご参考程度にしてもらえれば幸いです。
最初から子供自らが強い気持ちで、学校の成績を良くしたいということや、中学受験をしたいと思うことはあまりなく、どちらかと言えば、親のほうが先のそのような希望を持つのではないかと思われます。前回自主性のことを書きましたが、最初から子供が主体的である必要は全くないと思います(最後まで主体的でないという状態ではうまくいかないと思いますが)。子供の年齢などにもよると思いますが、最初は親から始めるのが良いと思われます。ただし、一方的な押し付けにするのではなく、ちょっと一緒にやってみない?という感じで始めるのが良いでしょう。
こちらの記事でも書きましたが、親の役割としては「方針決定者」と「スクラムマスター」があります。まずは「方針決定者」が1年や3カ月などの中長期の目標をイメージ・設定し、そのために実現しなければならない項目を大まかに挙げていきます。例えば、小学校1年生で習う80の漢字を覚えるという感じでしょうか。そして、この項目を一定期間(1週間など)で達成したいサイズに分割します。例えば、漢数字12文字(一~十、百、千)を覚えるなど。最低、次の期間分で達成したい分だけでも切り出せばOKです。次回以降の期間でやる分については、取り組みを進めながら補充していきます。
「方針決定者」はこの取り組みの責任者になります。普通の学校のカリキュラムの範囲内くらいのことであれば親だけでもなんとなくしなければならないことがイメージできると思われますが、中学受験に本格的に取り組むようになると塾の先生などの専門家の意見がかなり重要になるのではないかと想像できます。この時「方針決定者」である親は、塾の先生などの意見を聞いて実現しなければならないことを決めるのが良いのではないかと思われます。場合によっては、 塾の先生や家庭教師などに外部委託をするという手段もあるかもしれません。
最初の期間で達成したいことが決まったら、それを具体的にどのように進めるかをタスクの形に落とし込みます。例えば、「漢字のワークの○○ページ~○○ページまでやる」など具体的な行動にします。本来は、このタスクの落とし込みは子供が自分で考えるのが好ましいと思いますが、少なくとも最初のうちは親が手を動かす必要があると思います。ただし、ここでも繰り返しになりますが、現実的な内容や量にして、決定の際には一方的な押し付けにならないよう、子供の同意を得るようにしてください。タスクについては、一日で終わるくらいの感じで分割できれば、後々見やすくなるのではないかと思います(それほどこだわる必要はないと思いますが)。
以上の、一週間でやることを付箋に1枚ずつ書き出し、カンバンにセットします。カンバンについては、こちらの記事をご参照ください。最初に全部の付箋を「やること」エリアに置き、一つずつ「やっていること」エリアに移し、その内容に取り組みます。ここでのポイントとしては、基本的に付箋は1枚ずつ終わらせていくということです。一つずつ集中して取り組むことがとても重要なので、「やっていること」に複数の付箋がある場合には、そこにカイゼンのポイントがあるかもしれません。
後は、結果の確認と振り返りをしながら活動を繰り返していくという形になります。この過程で、親子でよくコミュニケーションをとって些細なことでも、改善できることはすぐに取り入れたり、スクラムマスターは邪魔になっているものを取り除いたりして、毎日少しずつでも成果を大きくできるように活動をしていきます。
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