滝モデルで子供の学習を計画・実行することの難しさについて前回書きました。現実的ではない計画が立てられ、それを実現するために精一杯頑張る(子供に頑張らせる)。しかし、様々な要因で計画通りには進まず、遅れを取り戻すためにさらに無理をする。計画をこなすことだけでいっぱいいっぱいになってしまい、都度都度振り返ることができないのでなかなか成績が伸びない。結果親も子供も疲弊して破綻する。ということは少なからずの家庭で起きているのではないでしょうか?ソフトウェア開発の現場では実際にとてもよくあることで、私は過去に10年間ほどそのような職場やプロジェクトで働いていました。
滝モデルに対して、スクラムでは最初にすべての計画を立てるという進め方はしません。計画の変更は発生するものであり、それは最終目標の実現のために歓迎するものという考え方がとられています。また、長い期間でのタスクに対してどれくらいの時間がかかるかを、最初から見積もってもほとんど意味がないという考え方をします。スクラムではタスクに必要な時間を見積もるときは、ある程度はっきりイメージできる程度にまでタスクを細かく分けます。例えばですが、富士山はスコップ何杯分でしょうと言われると困ると思います。しかし、子供が砂場で作る山くらいであれば大体スコップ何杯分くらいかなというイメージはできるのではないでしょうか。
タスクにどれくらいの時間がかかるかということについても実際の経験をベースに計画します。最初に、一定の時間でこなす予定をザックリと決め、その時間内で実際にどれくらいできたかを計測します(当初の予定を超えた場合はそこで止めずどんどん先に進ませます)。これを3回程度繰り返し、3回でこなせた量の平均値を出します。その平均値をベースとして、次回の予定を立てます。このようにすることで、無理や無駄のない計画を立てられ、継続的に取り組むことができるようになります。
一つ注意点なのですが、「一定の時間」についても無理のない長さで、基本的には毎日同じ時間にするようにしてください(ご参考:タイムボックス)。無理のない長さというのは年齢にもよると思いますが、集中力の継続時間としては小さい子供は目安として年齢+1分程度と言われているそうです。(ご参考ですが、このような記事を見つけました)
それでは、実際にどんな感じでやるかを書いていきます。
計画については、やることリスト(付箋)を作ります。これは、取り組みの中でどんどん追加したり変更したりします。まずはその時に思う「やること」(例えば、1桁の足し算ができるようになるなど)を付箋に書き出し、それを優先度順に上から並べます(優先度も都度都度変わります)。そして、優先度の高いものから順に取り掛かるようにします。
1枚の付箋に書く「やること」にかかる時間の目安としては、長くても親がきちんと確認できる間隔を超えないようにするのが良いでしょう。例えば、「九九を全部覚える」というのは1週間では無理と思われますので、1週間以内にできそうな「九九の二の段を覚える」という感じに細かくして、1週間後きちんと親が確認するという感じです。
そうすることで、その時々で優先的に対応しなければならないことに対応することができるようになります。また、短い期間で成果を確認することができるので、その次何をすればよいかということを効率的に考えることができるようになると思います。
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